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2025年度OEJAB派遣事業 OEJAB派遣員報告 〜8人の視線紹介〜
2026年3月5日(木)~ 3月16日(月)OEJAB運営施設・国連機関・オーストリア外務省・日本大使館など訪問
2025年度の派遣員は総勢8名、過去最大の人数です。そして今回の8名は、特に個性豊かな顔ぶれが揃いました。
OEJABの担当者ニックさんによると、「一番騒がしく、一番行動的だった」とのこと。どんな世界を見てきたのでしょう。本人撮影の写真と共にご紹介します。(掲載五十音順)
多様性と伝統の街・ウィーン
大阪大学4年 伊藤理彩
ザルツブルクへの電車。シュニッツェルで挟んだバーガー(左筆者)今回のオーストリア訪問では、OEJABの職業訓練校や老人ホームに加え、国連ウィーン事務局やオーストリア議会などさまざまな場所を訪問する機会を得ました。私にとっては初めてのヨーロッパであり、これまで訪れてきたアジアの国々とは大きく異なる風景や経験から多くの刺激を受けました。
印象的だったことは2点あります。まず、ウィーンの街の多様性です。観光の中心地区を離れた場所でも、移民の背景を持つ人々と多くすれ違い、その数の多さに驚きました。オーストリアでは統合政策が進められており、出自にかかわらずドイツ語の習得が求められています。OEJABにおいても、移民の背景を持つ人々に対する教育制度が整備されており、言語教育が必須となっていました。このことから深い相互理解は自然に成立するものではなく、その実現には双方に一定の努力が求められることを実感しました。ウィーンにおいては、それが言語教育であり、共通言語の習得が人々の相互理解を支える基盤となっています。多様性は新たな価値を生み出すものとして重視される一方、それを支えるために必要となる努力や負担とのバランスを取ることは容易ではありません。何を義務とし、何を自由とするのかという線引きは、社会のあり方を形作る重要な課題です。今後オーストリアがどのようにこの問題と向き合っていくのか注目し続けたいと思います。
2点目は、歴史です。ウィーンの中心部にはシュテファン大聖堂があり、その高くそびえる塔は街の象徴的な存在となっています。今回の訪問では、その地下にあるカタコンベを見学する機会がありました。カタコンベには中世にペストで亡くなった人々の亡骸やハプスブルク家の人々の体の一部などが残されていました。教科書で得られる知識とは異なる生々しい歴史の重みや空気に触れ、畏怖の念を抱きました。この経験を通して、欧米社会を理解する道筋の一つが見えたような気がいたしました。
派遣で学んだことはここには書ききれないほど多く、間違いなく一生忘れられない経験を得ました。最後になりましたが、温かく迎えてくださったOEJABの皆様、この派遣を企画してくださった友愛の皆様、そして同期の皆に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
サウンド・オブ・ミュージックのファンならどのシーンかわかるかも!?
駅のスーパーにて。壁一面がソーセージで驚き。
ボランティアのホフマンさんと聖シュテファン大聖堂前で。
国連前で。訪問が終わり緊張も解け笑顔でいっぱい。
国連で食事。フライされていたのは白身魚でも鶏肉でもなくカリフラワー。
ウィーンといえばウィーン会議!我ながら名監督かもしれません。
クリムト見ないと帰れない!渡辺さんの事前解説のおかげで倍以上感動。
オーストリアのワイン酒場。こんなに美味しいワインは人生初!
私たちをいつも見守ってくれたニックを囲んで。
政治と人権の葛藤の中
国際教養大学2年 佐藤廉太朗
国連でニックの友人お二人とお会いしました。(左端筆者)OEJABが運営する教育・職業訓練施設や、連邦首相府を訪問し、オーストリアの社会統合への努力を肌で感じたとともに、日本が目指すべき移民・難民政策の在り方のヒントを得た。
OEJAB関連機関では、難民への言語教育と職業訓練が並行して行われ、指導者が生徒に対し、とてもフレンドリーに接しているのが印象的だった。連邦首相府の方々は、統合政策における「fördern und fordern (支援と要求)」の姿勢について語ってくれた。ただ彼らを受け入れるだけでなく、「彼らのポテンシャル(可能性)を活かす」支援や教育を行うことで自立を促す。連邦制や地理的要因、申請者の出身地など、日本と異なる点も多く、一様に応用できるものではないが、移民や難民を単なる支援の対象としてではなく、新たな社会を創るための一員として捉えるスタンスには、見習うべきものがある。しかし同時に、家族呼び寄せの停止やGEAS(Common European Asylum System: 難民申請手続きの効率化を目的とした新枠組み)の施行、極右政党の台頭など、移住希望者への向かい風が強まるのも感じた。OEJABで電気工事を学んでいた男性は「いずれはシリアに残されている家族とウィーンに住みたいが、目処はたっていない」と語った。そんな中でも、今回出会った人々は、共生や社会的統合に将来の希望を見出し、各々の役割を全うしており、私もそこに「人間の安全保障」と「国家の安全保障」の両立の可能性を感じた。彼らの努力と思いに直接触れたことで、移民・難民問題を学んでいる身として、彼らのような人々を支えつつ、平和と秩序ある社会づくりに貢献したいと改めて実感した。
他にも、国連事務局の訪問、美術館・博物館巡り、音楽鑑賞、美しく歴史ある街並みと建築の数々など、オーストリアでしか経験できないイベントが目白押しだった。そして何より、同期七名の派遣員と過ごした日々は、かけがえのない思い出となった。帝国の食文化に翻弄されつつも、個性豊かで和気藹々としていたメンバーは、それぞれの関心領域に深く精通しており、彼らとの会話からはたくさんの学びを得た。また、同行してくださった戸澤先生や、ニックをはじめとする現地で出会った方々、そして全ての友愛関係者の方々にも感謝申し上げます。
今回の研修訪問で得た学びや、出会った人々との関わりは、その場での一時的な刺激に留まらず、私の価値観や人生設計にも大きく影響を及ぼす経験となりました。派遣前の意気込みにも記した通り、ここでの知見を糧に、今後も勉学・実務に励んでいく所存です。ここには書ききれないほどまだまだ多くの思い出がありますが、改めて皆様に感謝の意を示し、報告といたします。
飛び入りで国連の会議に参加。ガブリエルにオフィスや大議場も見せてもらって感動
みんなでケバブをbismillah!
故郷の料理に思いを馳せ遠くを見る団長&イケてる戸澤先生と
強者のオーラがあふれ出る京香先輩
Мой лучший брат, Oвнан! ロシア語で話してくれてありがとう!
豚をグレイビーソースで煮たシュバイネブラーテン。めちゃくちゃ柔らかくて旨い!
ザルツブルク城からの景色は時間を忘れるほど綺麗でした!
自然博物館の隕石シミュレータ。10kmの隕石を落としたら欧州が吹き飛びました
国連ウィーン事務局前で集合写真!みんないい笑顔 :) 本当にありがとう!
出会いが、広げ深めた10日間
東北大学2年 田口郁子
ホーフブルク宮殿。双頭の鷲の飾り、迫力満点でした(筆者)今回のウィーン研修は、こうして思い返しながら文章を書こうとしてもどこから書き始めればよいか迷ってしまうほど、学びに満ちた10日間でした。
その中で最も印象に残っているのは、人の温かさ、特に、私たちのような外国人に対する自然で親しみのある対応です。例えばレストランでは、スタッフの方が「ケーキの味はどうですか? 私が作ったのよ。」と気さくに声をかけてくださいました。とてもおいしかったケーキのお礼に日本から持参したお土産の手拭いを渡したところ、お返しに店で使っているジョッキを私たち全員にプレゼントしてくださったのは忘れられない思い出です。また、電車で乗り合わせた方が家族のことをたくさんお話ししてくださったり、鉄道やバスの利用方法を尋ねた際に丁寧に教えてくださったりと、日常の中で多くの親切に触れました。さらに、カフェやレストラン、OEJABの施設では、スタッフとして多様な文化的背景を持つ人が働いていました。私は当初、大帝国であったオーストリアの歴史や、芸術・文化の中心地という格式高いイメージから、どこか外国人に対して距離のある社会なのではないかと身構えていました。しかし実際には、外国人の私たちにも温かく接してくれて、多様な人々を社会の一員として受け入れている様子も見られました。大学の授業で学んだ、オーストリアの歴史的に多文化・多民族社会である側面について、研修を通して体感し、理解を深めることができました。
さらに、参加した他のメンバーとの関わりも大きな学びとなりました。10日間を共に過ごす中で、専門分野や進路、今までの経験など、さまざまなことを話しました。また、メンバーの皆さんは自分の関心や専門に関わる話題になると生き生きとして様子で解説してくれたり、ウクライナ戦争や宗教、移民といった繊細なテーマについても積極的に質問したりと、その熱意は周りの人にも伝わるほどでした。こうした姿を通して、私はやってみたいことを実際に行動に移すことの重要性と、その楽しさに気づかされました。私自身も「語れる」分野を持てるようさらに学びを深め、それを積極的に行動に移していきたいと考えています。
最後に、本研修を共にしたメンバーの皆さん、現地で大変お世話になったニックをはじめとするOEJABの皆様、そして本研修を支えてくださった友愛の皆様に、心より感謝申し上げます。この経験を必ずや今後の学びや活動に活かしていきたいと思います。
個性豊かな仲間たちとたくさんお話しできた楽しい10日間でした!
街中で見かけた茶道用品店に大興奮。茶道や抹茶はオーストリアでも人気のようでした。
美術史美術館にて。豪華な建物にたくさんの名画と見所ばかりで、時間が足りません。
訪れたレストランでお土産を渡したら、お返しにビールジョッキをいただきました。
シュテファン大聖堂の塔の上から見る夜景は格別!
OEJABの職業訓練施設でガラス加工に挑戦。簡単そうに見えて実際にやってみると大苦戦。
楽友協会の立ち席は、素敵なホールなのにお手頃価格で音楽好きには幸せな空間でした。
「会議は踊る、されど進まず」
国立歌劇場の字幕に日本語が!日本とオーストリアの強い関わりを感じました。
出会いが変えてくれたもの
東京外国語大学4年 土屋京香
連日案内してくれたメンバーも集まったお別れパーティー (前列右から二人目筆者)派遣中に私が最も心を動かされたのは、出会った方々一人ひとりの「情熱」と「使命感」です。慣れないオーストリアでの生活に自分や子育てに対する自信が揺らいでも強く明るく生きるウクライナ出身のお母さん、母国イランが戦火にある中でも未来の平和のために取り組むCTBTOの職員、それまで十分な支援が届かなかった自国の若者や難民のために自分ができることを尽くすOEJABの職員。それぞれが自分なりの人生の意義をもちながら、お互いに尊重し、助け合う環境がとても印象的でした。これは渡航前に自分が問いとして掲げた「Sympathy」を大切にした社会の一つの形だと考えます。同時に、濃密なスケジュールを共に過ごした同期の仲間が自然に、そして意識的に作っていたものでもありました。
加えて、「優しさ」や「強さ」とは何かを改めて考える機会となりました。例えばOEJABの寮では、基本的なルールや誓約書があり、場合によっては退去が求められます。多様性がマイナスではなくプラスなものとなるよう、OEJABの職員には高い創造力と専門性が求められています。OEJABの方々の言葉や姿から、一定の厳しさが誰かを守ることになるのだと学びました。また、OEJABで出会った学生達は誰もが真剣に学んでおり、目が合うと優しく微笑んでくれました。困難を抱えながらも将来に向けて前向きに頑張る姿に、私も力をもらいました。難民の受け入れに関しても、オーストリア連邦首相府はあえて教育と就業に焦点を絞ることで最大限の効果を生もうとしていることが、お話から伝わってきました。このように、現実や課題と向き合っているからこそ生まれ、創り出される各々の「優しさ」と「強さ」も貴重な学びの一つです。
先日の小論文コンテストのイベントにて、私なりの「友愛」の定義を発表させていただきましたが、今回のプログラムは「友愛」の社会を実現するために大切にしたい姿勢を発見する機会となりました。そして「友愛」は自然と芽生えるものではなく、一人ひとりの意識と行動によって実るものであると実感しました。
あっという間の10日間でしたが、その一日一日にかけがえのない学びと思い出が詰まっています。自分の考え方や、夢との向き合い方に変化があったことが、その何よりの証拠です。そのような経験を学生生活の最後に得られたこと、そしてプログラムの実現に関わってくださったすべての人への感謝を忘れず、オーストリアでの日々を未来に繋げていきたいと思います。
この写真を見るとウィーンの空気に包まれた気分になります
ザルツブルクでの一枚、みんな自由に話しながら歩く散策の時間
ガイドブックを見ながら今日行く場所や食べるものを話し合い中
ニックさんの通訳のおかげで、色々な人のお話が聞けました
熱がありつつも柔らかい同期同士の会話の雰囲気が出ているお気に入りの一枚
OEJABの教育施設には学生向けに前向きな言葉が沢山飾られていました
苦戦するメンバーも多かった開けにくく、こぼれやすいペットボトル
歴史ある大観覧車に乗れたのもとってもいい思い出です
毎晩解散前にみんなで明日の予定や集合時間を確認!
「移民」と「食文化」からウィーンを見る
京都大学4年 唐 祺東
同行の森澤さん提供のキメポーズ写真 雑誌の表紙のイメージで(左筆者)
日本人の食卓に、移民の文化が進出していることは間違いない。一時ブームになったマーラータンなど「ガチ中華」、ネパール人が売る「インドカレー」など、異国の味は日本で日常化している。
今回の派遣の旅ではOEJABの支援を受けているウクライナ難民や中東出身者の方々に出会え、移民政策担当の官僚にお話を伺う機会を持つことができた。同時に、様々なオーストリア料理も堪能できた。旅のキーワードとして「移民」と「美食」を挙げられよう。
滞在中、支援や同化政策の客体ではない移民の姿、食文化を知るため、移民系の飲食店をいくつも回った。トルコ系のケバブが一番多いが、「ガチ中華」のレストランも健闘している。電車で出会ったタイ人に勧められた絶品のタイ料理(タイ本国の高級店の味)や、中国人経営の「日本料理」店も多かった。駅中では移民系のテイクアウト料理が栄えていた。これらの店で驚いたのが、現地人の客が多いことである。
つまり帝都のウィーンの住人は、ウィンナーコーヒーとウィンナーシュニツェッルだけを食べて生きているわけではない。移民の食事も、立派にウィーンの食の一部である。今度機会があれば、異郷に生きる彼らのことをもっと知りたいと思った。
加えて、意気込みエッセイに書いた「多文化共生のガバナンス」との関係も。この派遣の旅で最も印象深い一食は、実は国連の食堂である。アジア・アフリカの料理、ベジタリアンメニューなどから、好きなものを注文できる。各国の代表が、それぞれがホッとする料理を食べて、議論の合間で気を休めていたのは印象的だった。
多「文化」の調和と共生では、食事のような根源的なものにも目を向けないといけない。なぜなら、①人の仲を深める機会であるはずの食事が、かえって分断をもたらすことがあり、②体に合った食事は、その人の調子を良くすると身をもって知ったからだ。宗教、信条上の禁忌がない筆者でも、家ではほとんど中華料理なので、パンと肉を中心とした食事は口に合わず、逆にアジアの食を食べた日は元気が出た。文化の越えがたい壁だ。
だとすれば、文化を超えた協働を可能にするのは、同じ釜の飯を食うのではなく、違う食事を食べながら協力と議論の机につくことかもしれない。
締めくくりに、この場を借りて、パン食に胃と心をやられ、朝ごはんにカップ麺を食べ出した自分を、暖かく受け入れてくれ、友愛精神を体現した仲間たちに感謝したい。
ザルツブルクの司教座教会。彫刻を黒色で縁取るのは、ヒンドゥー寺院でも見られる意匠
国連で食べたグリーンカレー。辛さは別ぞえのチリソースで調整可能
自然史博物館。博物館そのものが古代ギリシャの「知の聖殿」をイメージしたデザイン
民族学の「聖地」・世界博物館。ハプスブルク家の王子のコレクションがずらり
世界博の企画展「植民地と植物」。常設展でも、民族学と植民地の支配を振り返る展示が
ベルヴェデーレ宮殿から見える建物。白黒にすると銅版画みたい
みんなでホイリゲ。帝都の庶民文化で、酒蔵が新酒を提供。
ウィーン大近く。教会とハラール料理店が並ぶ街並み
ウィーン大近くのパキスタン料理バイキング。オールベジタリアンで、若者たちで賑わう/li>
西駅に並ぶ中華、タイ、トルコ料理のお店。手軽で安い食事のイメージだろうか
違いを受容し認め合うこと
広島大学修士2年 豊田万葉
大使館訪問前に立ち寄ったウィーン大学。大学とは思えない豪華な造り(筆者)オーストリアでの10日間は、すべてが新鮮で学びにあふれた濃密な滞在となりました。この10日間の中で、現地の人には当然化している小さな異文化をたくさん見つけることができました。小さな異文化の中にオーストリアの文化の基盤があるように感じられ、改めて現地に赴き五感で感じることの重要性を実感しました。
私は今回の研修では、多文化と平和の2観点を重点に置き各所を訪問しました。その中で、印象に残ったことが二つあります。一つ目は、難民の方がオーストリアに住み続けたいと感じていたことです。エヤップの施設の一つである職業専門学校に訪問した際、シリアから来られた方とお話させていただきました。オーストリアに来た理由を尋ねると、「ここは自由で、自分のしたいことができる」とおっしゃっていました。単身で来ているにも関わらず、前向きな気持ちでおられる姿を見て、自国でなくても安心して過ごせる環境があるというのはとても重要なことだと感じました。二つ目は、平和都市、広島の役割です。日本大使館を訪れた際、平和都市としての広島の役割について尋ねたところ、「若者が伝え続けること」が必要だと答えていただきました。ウィーンの国連本部を訪問した際にCTBTOで核実験の監視や検証に尽力している方々の取り組みを実際に目の当たりにし、平和を伝える重要性をさらに実感しました。今回の訪問で私は、広島で生まれ育った身として、平和の大切さを伝承していくべきだと思いました。
私は今回の研修を通して、友愛は「違いを受容し認め合う」ことなのではないかと感じました。現地を訪れて様々な方と出会う中で、一人一人が異なる考えや信念を持っていると感じ、個人に焦点を向けることの重要性を感じました。それはこの派遣で一緒に訪れた8人のメンバーにも言えることであり、同じ日本に住む大学生ではありますが、各々の観点が異なっており、そのおかげで滞在中様々な場面で多角的な視点で考えることができました。違いを受容し認め合うことが視野を広げ、お互いを理解し尊重することにつながるのではないかと感じました。
最後になりましたが、友愛事務局の皆様、ニックさんをはじめオーストリア現地でお世話をしてくださった皆様、大変貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。これからもこの経験を活かし、平和な世界を実現する一助となるべく、これからも努力をしていきたいと思います。
渡航初日の朝食。ハムやチーズの種類が豊富で特にウインナーは絶品でした。
町のいたるところに設置されているたばこの吸い殻専用のごみ箱。
電車内のマーク。ペット(犬)は口元を覆って乗車するよう書いてありました
ウィーンのエスカレーター。スピードが日本よりもとても速かったです。
ホブナンさんがくださったお菓子をもってシュテファン大聖堂前で記念撮影。
音楽の都、ウィーンで音楽鑑賞。とても豪華な劇場で贅沢な時間でした。
ウィーン市庁舎のライトアップ。スケートリンクもあり夜でも賑わっていました。
エヤップの教育機関訪問。寮や学校の施設などたくさん見学させてもらいました。
ウィーン国連本部前にて。この写真はみんながすごくいい表情でお気に入りです。
刺激的だった10日間
大阪大学3年 森澤茉由
国連機関の集まるビル群の前で。世界の広さを実感! (筆者)今回の経験を通じて、多くのことを学び,国際機関で人の命のために働きたいという思いを一層強めた。
特に印象的だったのは、日本と比較した社会問題に対する意識の高さだ。
一つ目は環境問題への意識である。環境保護を重視する政党が国会で一定の議席を占めており、人々の関心の高さがうかがえた。さらに、ベジタリアンの多さやBIO(オーガニック食品)と表示された商品の普及から、環境への配慮が日常生活にも浸透していることを実感した。
二つ目は社会的支援に対する意識である。難民には教育・雇用・住居が提供され、社会全体で支える姿勢が見られた。政府レベルで支援体制が整備されており、派遣先のOEJABは大規模に支援を展開し、難民や社会的弱者に対して実践的な支援を行っていた。
このように、社会問題への意識は単なる関心にとどまらず、各自の行動として具体的に表れている点に驚かされた。
この姿勢は医療にも通じるものである。すなわち、単に治療を行うだけでなく、患者一人ひとりの生活背景や社会的要因に目を向け、包括的に支援していくことが求められると感じた。
この経験と国連派遣を通じて世界の広さを実感したことと相まって、将来は国際機関で人々の健康と福祉の向上に貢献したいという思いを一層強めた。また、ダメもとで連絡を取ったところ、快くインタビューを引き受けてくださった在オーストリア大使館の医務官の方からお話を伺う機会を得たことも、国際的な場で医療に携わるキャリアを具体的に考える契機となった。
そして何より同行した仲間から刺激を受けた。それぞれ異なる分野を学んでいるため、各自が持つ知識や視点が異なり、同じ経験に対しても多様な感想が生まれた。例えば、難民施設への視察において、私は難民の医療サービスへのアクセスや予防接種の体制について質問したが、政治を学ぶ仲間は受け入れ政策の基準に関心を示していた。また、教育学を専攻する学生はアプローチの方法に、人類学を学ぶ学生はアイデンティティを保持しつつ社会に適応する方法に着目していた。このような多角的な視点に触れることで、自分一人では得られない深い理解に至ることができた。
最後に,この8人で過ごした10日間は、かけがえのないものとなった。自由奔放な私たちを温かく導いてくださったニック、全力でサポートしてくださった理事の皆様、そして何より、このような貴重な機会を与えてくださった友愛の皆様に、心より感謝申し上げます。
OEJABでウクライナからの避難民の方と。作っていただいた伝統的なケーキは美味しかった!
国連の食堂には常設のSUSHIコーナーがありました。日本食の人気を実感!
音楽の都ウィーンでコンサートを立ち見。でも疲れて途中から座っていました笑
電車で前に座った方と話しながら帰宅。友愛タオルを渡すとお返しにお菓子をいただいた
改札がないため無賃乗車も可能だが、抜き打ちでチケットチェックが行われる
車中で朝ごはん!ウィーンのパンは本当に美味しい
みんなで記念撮影!いい笑顔
おいしいランチ。オーストリア料理は一皿が大きい
大好きなニック10日間ありがとう
生きづらさに寄り添う場
富山大学4年 渡邉咲耶
最も好きな画家クリムトの、最も好きな絵画作品と一緒に撮っていただいた!(筆者)まず初めに、私たち8人をOEJAB派遣員として受け入れ、帰国までの全てのプログラムの運営に、ご尽力くださったOEJAB関係者の皆様、そして友愛事務局の皆様に、心より感謝申し上げます。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
さて、私は派遣前の抱負文において、「文化芸術と対話を通じて平和な共生社会を創造する力を養う」という大きな目標を掲げていました。帰国後に改めて振り返ると、非常に密度の濃い10日間の研修を通じて、その目標に大きく近づくことができたと実感しています。今回の研修を通じて私が見出した、平和な共生社会実現への一つの答えは、「目の前の一人の生きづらさに寄り添う場をつくること」です。
OEJABの教育施設訪問では、私の専門分野であるアートの授業を見学させていただきました。担当の先生にアート教育の価値についてお伺いしたところ、「成績や単位、評価にとらわれることなく、子どもたちがありのままの自分を表現し、自らを見つめる場となることに、アート教育の意義がある」とお話してくださいました。人々の心をケアし、自己理解を深めるアートの唯一無二の役割を再認識する機会となりました。また、その先生はアートセラピーを専門とされており、私自身もこの分野をさらに深く学びたいという新たな目標を得られた、大切な出会いとなりました。
さらに、OEJABの職業訓練施設訪問では、イランから難民として来られた方とお話しをする機会がありました。彼らと対話を重ねる中で、次第に心のつながりを実感するようになりました。以前の私は、「難民」という言葉から「支援を必要とする人々」という画一的なイメージを持っていたのですが、実際に現地で出会ったのは、「困難な状況の中でも力強く前向きに生きる人々」でした。私の中で「難民」という言葉は一人ひとりの具体的な顔を持つ存在へと変化し、彼らを単に「難民」と呼ぶことに強く違和感を抱くようになりました。また、職業訓練施設も、単に「人を助ける場」ではなく、「人に寄り添い、その人らしい生き方を支える場」としての、ぬくもりを強く感じました。
一見すると些細に思えるこれらの言葉や認識の変化こそが、現地でしか得ることのできない貴重な学びの核であったと感じています。今後は本研修で得た学びを基に、一人でも多くの人々の生きづらさに寄り添い、他者とのつながりを創出しながら、平和な社会の担い手となれるよう、日々努めてまいります。
ザルツブルクで仲良くなったドイツのおじいちゃんとパシャリ!
電車で相席だったアートギャラリーのオーナーさんから展示のお誘いをいただいた!
戦禍を逃れるため、ウクライナから来られた方の貴重なお話をお伺いできました
OEJABの教育施設で見学したアートクラスのようす
多文化が融合する国連は食も豊かで、どれも美味しかったです!
ウィーン軍事史博物館ではキュレーションの面で学ぶことが多くありました
ウィーンといえば!シュニッツェルとワイン!とっても美味しかったです!
10日間アテンドしてくださったニックさんと
ウィーン国連本部にて派遣員のみんなと
